ぐんま野球フェスタ2019が盛況に終わり、おかげさまで令和2年1月には第2回の開催が決まりました。県内の医療機関の連携(群馬大学整形外科学教室、鶴谷病院、ぐんまスポーツ整形外科、慶友整形外科病院)でこのフェスタが発足し、さらには、群馬県スポーツ少年団様、全日本軟式野球連盟様、群馬県高等学校野球連盟様、群馬県野球連盟様のご後援のもと開催させていただくことを誠に嬉しく思います。また、ぐんま野球フェスタ2020の開催におきまして、ALSOKぐんまスポーツセンターの関係者様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2019年の野球界はいろいろと変化が起こりました。“球数制限”という言葉が新聞、ネット、テレビに何度も登場しました。「制限」というとなんとなく自由にやっていたことができなくなって、マイナスな方向へ向かっているイメージになり言葉が独り歩きしています。ですから、わたくしはこの「制限」という言葉はあまり使いたくはないのですが、なぜこのような形で制限ということになってきたのでしょうか?それは、いまのままでは子供たちの野球肘障害を守り切れないからです。

負けたら終わりのトーナメント大会を背景に、まだ身体が未成熟な学童や中学生が勝利のために、肘や肩を酷使しながらたくさん投げ続けています。その結果、高校大学へと進学した後に、また、肘や肩をまた痛めるのです。高校や大学で肘を痛める選手の多くは、少年野球で投げすぎてきた子ばかりというのが現状です。いい投手に頼ったチームでは、その投手が故障するリスクが高まりますし、他の投手が育ちません。多くの選手にいろいろなポジションを経験させ、その後の可能性を広げてあげることも大事ではないでしょうか。勝利を追い求めるばかりに逆に子供たちの可能性を奪ってしまっている気がしてなりません。

一度痛めた肘の靭帯は、元の状態に戻ることはなく、微小損傷の繰り返しでどんどん悪くなり損傷が蓄積していってしまいます。将来、手術を必要とするまででなくても、パフォーマンスの面で十分発揮できない選手がたくさんいます。高校生、大学生になって初めて選手も気づくのです。投げすぎだったのだと。このような選手が実は多く存在していることはなかなか知ることはできないことです。医療現場では、肩や肘が痛いといって非常に多くの選手が病院を受診してきます。中学生でも手術をしなければならない選手もたくさんいるのです。

球数制限に反対の指導者の方々は、野球がつまらなくなる、いい投手がでなくなる、人数の少ないチームには不利だとかよく言われますが、誰のために指導しているのでしょうか。少年野球での大人の役割は、積極的に選手の障害を予防しながら、さらに選手の可能性を見出し、それを育てるという役割でなければならないと思います。野球することが楽しく、のびのびプレーできる環境を提供してあげることが我々大人の役目です。決してミスや失敗を怒声罵声で叱咤することがいいとは思えません。

この議題について少年野球に携わる方々(指導者、保護者)と、これからの子供たちのためにどのように野球指導育成に関わっていくべきかを一緒に講習で議論していきたいと思います。1月19日の指導者講習では、指導者はもちろん保護者の方々にもぜひ聞いてい頂きたいと思います。ご来場おまちしております。

最後に、ぐんま野球フェスタは子どもたちのために大人がどうあるべきかを見直すための企画です。子どもたちが楽しく野球している姿を見て、子供たちの障害が発生していないか確認し、講習で大人がどうあるべきかを学び、さらに様々な野球上達につながるトレーニング法を吸収してチームに取り入れていって欲しいと思います。

どうぞどなたでも参加できますので、今後の指導や育成に役立ててください。

主催代表

慶友整形外科病院 スポーツ医学センター長

古島弘三

慶友整形外科病院の古島先生には当院で少年野球障害を中心とした外来を担当していただき、先生のご指導のもとリハビリテーションスタッフも少年野球肘のような障害予防指導に携わることができるようになりました。
そのため今回のぐんま野球フェスタ2020の開催に際しまして当院でも出来る限りのご協力を致したく主催に加わらせていただきました次第です。今回は当院リハビリテーションスタッフによるケガの予防の指導に加え、運動中に生じる熱中症等などによる事故や心臓震盪(しんとう)のような重篤なケースに対するAEDを用いた心肺蘇生の指導を前橋赤十字病院高度救命救急センター長兼救急科部長中村光伸先生もお招きし講演を行う予定としております。AEDの体験等は指導者や保護者の大人の方に加え、小中学生も参加できますので、多くの方々にご来場頂ければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。

鶴谷病院

病院長 鶴谷英樹

こんにちは。野球を楽しく、怪我なく、いつまでも行えるように、野球を頑張っているみんなのからだのチェック(野球肩肘検診)を担当します。これからみんなの肘に起こるかもしれない、また起こっているかもしれない痛みの原因を超音波でしらべます。またみんなが満足のいくプレーが行えるよう、全身の関節や筋肉をチェックします。野球をプレーするみんなの輝かしい夢への実現のために、みんなのお手伝いができればと思っています。今年は2日間の開催です。多くのみんなに会えることを大変楽しみにしています。ぐんま野球フェスタ2020への多くの方々のご来場をお待ちしております。

主催

群馬大学医学部整形外科学教室

田鹿毅・設楽仁

皆さん、こんにちは!このぐんま野球フェスタは「楽しく野球をしたい」、「野球がもっと上手になりたい」というお子さんの気持ちと、「ケガなく野球をいつまでも続けさせてあげたい」、「野球を通じてたくさんのことを学んで欲しい」という私たち大人の気持ちを一つにすることができるイベントです。選手やご家族の皆さん、指導者や医療関係者の方々など野球に関わる全ての方が楽しめる企画を用意しました。たくさんの方の参加をお待ちしております!

ぐんまスポーツ整形外科

院長 山本敦史